心でっかちな日本人

心でっかちな日本人―集団主義文化という幻想

心でっかちな日本人―集団主義文化という幻想

著者である山岸俊男さんのこと、ほぼ日(ほぼ日刊イトイ新聞)で知りとても興味をもちました。
ここで紹介する著作ではなく最新の著作を読みたかったのですが図書館にありませんでした。
この著作が図書館にあり、題名も面白いので読んでみることにしました。
ほぼ日のサイトへ毎日行きます。糸井さんが面白い人と対談し、その内容を読んでその人の著作を知り読んでみることが去年は多かったです。
この著書は2002年に出版されているのですが、その中で昨年来騒がれている状況を予言するような次の章を驚きをもって読みました。

集団主義の終焉に備えよう
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 会社への忠誠心が日本文化に特有な心の性質によって生み出されていると考えている人は、安定しているはずの文化の変化のあまりの急速さに目をまわすことになるでしょう。一方、集団主義文化を心の性質や意味のシステムとしてではなく、内集団ひいきが相補均衡を生み出している状態と考えれば、グローバル化と大競争社会の到来によってこの均衡が崩れ去ってしまうことは容易に予想されます。
 この予想に対して私たちは、来るべき集団主義の終焉に今から備えるべきでしょう。この変化があまりに急速に生じる場合には、これまで日本社会に安定性をもたらしていた集団主義的な内集団ひいきの原理が、それにとって変わる原理が一般化する前に消滅するという、社会秩序を維持するための原理の真空状態を生み出してしまう可能性があるからです。

2009年の現在、わたしたちが置かれた状況がこの真空状態でないことを・・・・・。
もしかしたら、今こそ、日本人が個人主義の本当の意味を理解し、個人が個人を大切にし始めるチャンスなのかも・・・・。