茂木健一郎のクオリア日記 「尾崎豊のいた夏」 にコメントを投稿

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投稿したコメントをそのまま記述します。

プレミアム10拝見しました。
自分の16歳の頃からの人生を思いだしながら、最後の卒業を聞いていました。
私も、尾崎豊と同じ青学の高等部の出身です。
彼より、10年以上先輩です。
小・中学校で、彼のように登校拒否や荒れた学級を経験したわけではありませんでしたが、
ずっと女子ばかりだったので、息苦しく、自由を求めて、青学の高等部に進学しました。
もう、拍子抜けするくらいの自由な環境、自由を求めたはずなのに、戦うべき不自由さをなくし、
半年間ぐらい戸惑いと孤独の中にいました。そして、そのとき出会ってしまった孤独を抱えながら、
車窓の風景を眺めるように「青春時代」を送りました。車窓の風景は、恋愛もあり、進路の挫折もあり、
人並みに激しく、人並みに悲しく、人並みに切ないものでした。思いがけず出逢ったコンピュータの設計、
プログラミングという仕事が、私の心を守ってくれました。白雪姫を小人たちが守ったように、自分の世界に
閉じこもることを許してくれました。でも、三十代半ばに、とうとう抱えつづけた孤独と真剣に向合う時が来ました。
そのとき、たどり着いたところが、秋山さと子さんの開かれていたユング・クリニックでした。そして、秋山さん、
河合隼雄さんの著作を読みながら、クリニックで話を聞いてもらいながら、心を開いてゆきました。
箱庭をつくったりもしました。このとき初めて、16歳の時、自分が求めていた「自由」の意味を知り、「孤独」の
意味を知り、苦しい「青春時代」が終わったような気がします。そして、40歳で出逢った人と50歳で夫婦となり、今、
「人生の秋」を歩いています。
今度、青学高等部の古い校舎が、新しく建替えられます。そんな、こんなで思い出が引き出しにしまわれました。
ありがとうございました。