河合隼雄さんに導かれて新しい出会い・・・。

生きるとは、自分の物語をつくること

生きるとは、自分の物語をつくること

4月の中旬頃、書店に平積みされたこの本が気になり購入しました。
2008年冬号の「考える人」に掲載された小川さんと河合さんの対談「生きるとは、自分の物語をつくること」
にお二人の最初の対談「魂のあるところ」と小川さんの「少し長すぎるあとがき」が加えられたものです。
「考える人」のなかで読んだときは感じなかった縁のようなものを小川さんに感じました。
これをきっかけに彼女の著作を読み始める予感があります。
玄侑さん、白州正子さんも、河合さんが「縁で出会った」と思える作家です。
気にはなっていたけど読まずにいたところ、河合さんの解説を読んで背中を押されたりしました。

今回、「少し長すぎるあとがき」のなかで以下のような内容に印象づけられました。

ああ、そうか。自分は、作家だから小説を書いているのではない。誰もが生きながら物語をつくっているのだとしたら、私は人間であるがゆえに小説を書いているのであって、「なぜ書くのか」と聞かれるのは「なぜ生きるのか」と問われるのに等しい。(中略)
どんなに遠く現実から離陸したつもりでも、物語は宙にふわふわと漂う妄想ではなく、根は必ず、現実を生きる内面と結びついているのです。逆に、そうでなければ小説は意味をもたないでしょう。