涅槃の讃岐にて

十二月二日の朝、主人の父が八十五歳で旅立ちました。
主人の実家は、四国の香川県(讃岐)です。
おだやかな、なごやかな「旅立ち」と「お見送り」でした。
讃岐山脈のなだらかな稜線の中へ、魂の故郷へ戻ったようなひとときを過ごしました。

十一月に一度お見舞いに讃岐へ帰り、今度は寂しい知らせとなりました。
こちらでは、私の母が肺炎を起こしかけて入院したりと、慌しく過ぎた十一月でした。

香川は讃岐の国です。お遍路では、涅槃の讃岐といわれます。
涅槃とは全ての煩悩やとらわれからから解放され悟りを開いた状態を意味します。
発心の阿波(徳島)、修行の土佐(高知)、そして菩提の伊予(愛媛)を経て悟りを開く涅槃の讃岐があります。

涅槃の讃岐 今の私の心の風景です。
おだやかな義父の笑顔に感謝。